この映画について

映画『ダンスの時間』のご紹介

監督・野中真理子より映画のご紹介を致します。

  • イントロダクション
  • 野中真理子よりご挨拶
  • 映画に登場する水族館
  • チラシ

introduction

普通のひとたちが、ダンスで変わってゆく時間。
こころとからだを自由にするドキュメンタリー!

「離れ技」のダンスでも、「孤高の芸術」でもないダンス。生きることをやんわり楽にするダンスって、どんなダンス?子どもたちの生命力や芸術性を描いて感動を呼んだ野中真理子監督の11年ぶりの第3作がついに完成!新作のテーマは、美しい大人の女性の「ダンスのある暮らし」。

ダンサーの村田香織さんは、ひっぱりだこ。新江ノ島水族館のイルカショーの振付からはじまって、スカイツリーのすみだ水族館のスタッフにも、ちょっと不思議なダンスを用意。お客さまとのコミュニケーションを円滑にしよう、というレッスンをしています。からだを動かすと、こころはどう動く? 気持ちをあらわすにはどう動けばいい? 動物好きでナイーブなスタッフがだんだん笑顔になってゆく時間。香織さんは週に一日、老いた母の介護にも通います。日がな一日ベッドですごす母の、「できません」「だめです」の言葉をどう受けとめればいい? 母と話し、母に触れる。どうしたいのかを感じる。これだって、母と娘のデュエットダンス。

ダンスとは感じること。どんなに大変でも、生きることを肯定すること。やわらかく背筋の伸びた香織さんの日常に、わたしたちのこころとからだを楽にする、ダンスの秘密が見えてきます。


野中真理子より皆さまへのご挨拶

『ダンスの時間』は、「作らないわけにはいかなかった」という思いでひたすら作りました。 それは「他の誰にもできない、自分しかできないオンリーワン」という意味ではなく、「これを作らないと自分が一歩も前に進めない、一つも心から笑えない、なんとも生きていけない」という切羽つまった覚悟です。

『こどもの時間』につづく『トントンギコギコ図工の時間』の完成が2004年冬。『ダンスの時間』の完成が2015年冬。 11年も何してたの?と聞かれますが、うまく答えられません。『トントンギコギコ図工の時間』の上映宣伝で忙しかった時期と、『ダンスの時間』の撮影準備を始めた時期の間に、『暗黒地底の時間』という自分だけのドキュメンタリーがあったからです。それは上映時間が5年間の大作なのですが、制作スタッフも観客もわたし一人。あらすじは、自分の暗黒地底に落下したのまりーオバサンが、不平不満、青息吐息、暗中模索もがくサスペンスコメディです。そして七転八起、『ダンスの時間』ができました。

村田香織さんには25年前に出会いました。素晴らしいダンサーで、振付家で、演出家です。才能も天性の明るさも体型も(笑)、わたしにまったく無いものを授かっている人で、1000mも遠い存在でした。しかし3年前のある日、香織さんが考えるダンスの話を聞いたとき、一気に10mまで近づいたのです。どんな話だったかは長いので省略します。とにかく、香織さんの中にある不思議なダンスの力が、わたしのぶちあたっていた囲いを跳び越え、寛容をはぐくみ、違う人や生き物への想像力をくれるじゃん!と元気づけられたのです。

それで『ダンスの時間』をつくろう!と決心したのですが、かんじんの香織さんに「わたしを撮影して映画?とんでもない!ゼッタイお断りします!」と言われてしまい、この撮影交渉が最初の難関となりました。

「ダンスは、選ばれた人がする表現」と思っていました。そういうダンスももちろんステキです。 でも『ダンスの時間』のダンスは、選ばれてない、ふつうのわたしとあなたのダンスです。 どんなダンスですかって?それは見てのお楽しみ。つくった本人が言うのも何ですが、実に良い映画です。どうぞ御覧ください!

2016年春

東京・三鷹にて 野中真理子


この映画に登場する水族館

映画のなかには、新江ノ島水族館とすみだ水族館の2つの館が登場します。村田香織さんがおこなうスタッフ向けのワークショップは、たとえば、すみだ水族館は営業時間が21時までなので、シフトが切り替わる真ん中の時間で、全員が月に2回~3回出られるように組まれています。

● すみだ水族館

映画の最初に登場するのは「すみだ水族館」のスタッフの皆さん。東京スカイツリータウン®ウエストヤードの5階と6階の2層からなる「すみだ水族館」は国内最大級の屋内開放水槽を持ち、間近でペンギンやオットセイを見ることができます。バックヤードをお見せするゾーンも設けてあり、実際の飼育の現場も見られます。飼育スタッフとお客さまとの隔たりもなくし、気軽にコミュニケーションできることも魅力のひとつとなっています。

すみだ水族館

東京都墨田区押上一丁目1番2号 東京スカイツリータウン・ソラマチ5F・6F
TEL:03-5619-1821 Webサイト

● 新江ノ島水族館

村田さんが指導する「アクアン」が活躍するのは、新江ノ島水族館。歴史のある水族館で、日本ではじめてイルカショーをやったのが新江ノ島水族館です。通称「えのすい」。49年間続いた江の島水族館が2004年4月にリニューアルし、「新江ノ島水族館」としてグランドオープンしました。相模湾に面し、右手に富士山、左手に景勝地・江の島が控える絶好のロケーションを最大限に活用した水族館です。 特に、イルカやアシカがエンターテインメント・パフォーマンスを披露する「イルカショースタジアム」はえのすいの最大の見どころ。また、生物や標本を見学するだけの水族館ではなく、海洋生物の宝庫である「相模湾と太平洋」と「生物」を基本テーマに、遊びながら学ぶことができる<エデュテインメント型*の水族館>でもあります。

神奈川県藤沢市片瀬海岸二丁目19番1号 TEL:0466-29-9960 Webサイト

*エデュテインメント(Edutainment)とは、エデュケーション(Education:教育)とエンターテインメント(Entertainment:娯楽)を組み合わせた合成語。近年、博物館や美術館などでは、楽しみながら学習する手法を表現する用語として認知されています。


チラシ(PDF)

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チラシイメージ